2011-12-19

  1. でも、たとえどれだけギスギスした関係が描かれるとしても、薄っぺらいけれど仲だけはよく見える関係よりも、救われると思うんだよなぁ。真っ向からギスギスしてくれることに期待。
  2. そして、そんなそもそも関係が薄い、相手に興味も関心もない世の中で、真っ向から三角関係でも修羅場でもなんでもござれで描かれるのが、『WHITE ALBUM2』。これまでとても気持ちの良い関係性でもってファンを楽しませてきた丸戸さんが、全身全霊をかけてファンを虐め抜くらしい作品。
  3. トーリとホライゾンの方は、平行線の会話を経て、初めてトーリと自動人形との関係から、トーリとホライゾンという個の関係に移行できる。嫌いや苦手、対立、なんにせよ、そうした感情を持ちつつも、相手を隔絶しない諦めないことで初めて関係が始まるというのが、ぎゅっと詰め込まれた屈指のシーン。
  4. シュウの見かけだけの関係から、徐々にほんものの「関係性」が積み上がっていくのが一連の物語ですが、ガイにしても颯太にしても嫌いや苦手という宣言から入っているんですよね。ガイと亞里沙にしてもそうですし、九話で弟を殺してしまったことで谷尋とも初めて関係が始まるはず、たぶん(笑)。
  5. この辺の人間関係の始まりが上手く描けているのは、何気に今期だと『ギルティクラウン』だったり(あとは『僕は友達が少ない』かな)。あの作品で最もデフォルメされて描かれているのは、シュウの関係性のなさと思いますが、現実あれぐらい空気を読めなくても関係は成り立つはず。
  6. そこから「平行線の会話」(ある種の「対立」)を経て、初めて二人の会話が成り立つ。ワンクッション(しかもおそらくは対立的な)置かないと、そもそも関係が始まらない。「あんたなんて嫌いよ」が好意の裏返しではなく、本音のところから始まるシビアさ。それぐらい相手に興味が持てない時勢。
  7. はじめ、相対主義的な世界を生きている我々のように、トーリとホライゾンの会話は、噛み合わない。トーリとホライゾンが話しているはずなのに、真実そこにあるのはトーリと「自動人形」の会話。クラスターや島宇宙、カテゴリーでもなんでもいいですが、それらが決して噛み合わないがゆえに、空を切る。
  8. 境界線上のホライゾン』ですが、12話まで見ると、とても丁寧に人間の「関係」というものを追っていて、グッと来るんですよねぇ。トーリとホライゾンのやり取りは、現代的な関係構築を見事に表現している箇所だと思っています。
  9. 六花の勇者 (集英社スーパーダッシュ文庫)/山形 石雄】を読んだ本に追加 →http://t.co/UdlSfNco#bookmeter

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