2012-03-10

  1. 「青春」を抽象するなら、なんだろうな? ゴールではない通過点、いずれ卒業するもの辺りだろうか。
  2. なんにせよ、私が狭義に「青春ミステリー」を捉えたとき、謎発生から解決までの「プロセス」に青春的な何かが不可欠不可分の物語を指す。そういう条件があるので、実際のところ当てはまる作品がそう多くないというのが、現状だと思います。
  3. いまの「ズレる」好例としては、米澤穂信先生の『ふたりの距離は概算』がわかりやすい。探偵として未成熟だった(それゆえに氷菓愚者では挫折を味わう)奉太郎が、クドや雛では探偵として大きな成長を見せる。だけど、概算ではそうした成長、ロジックを一度手放すところに妙技がある。
  4. ミステリーには多くのルールや型があると思うけれど(探偵とワトソン役がセットというレベルから複雑なものまで)、青春ミステリーではそうしたルールや型が、まさに青春的なものによって「ズレる」ところに面白味があるように思います。
  5. 「青春」なんていう一様には捉えられないものの定義を追っかけるよりも、それぞれが思う青春的なものと肝心のミステリー要素が一体どのように関連関係しているかという「関係性」の方に着目する方が良いのではないかと。
  6. 青春的なものとミステリー要素が不可分不可欠の物語群のことを、私は青春ミステリーと呼んでますね。青春ミステリと日常の謎 http://t.co/7StpPuVI

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